訪問 介護
訪問介護とは、1997年に成立した介護保険法によると、要介護者または要支援者が居宅(自宅の他に軽費老人ホームや有料老人ホームなど厚生労働省令で定める施設の居室も含む)で介護を受けるもののうち、介護福祉士やその他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるものになります。
訪問介護を行うための資格の一つが訪問介護員で、都道府県知事の指定する訪問介護員養成研修の課程を修了することで取得できます。
一般的にはホームヘルパーと呼ばれ、三級、二級、一級があり、三級は講義25時間、演習17時間、実習8時間の計50時間で取得でき、制度上は三級から働けるはずですが、就職の際は二級以上の資格が必要なのが現状のようです。
二級は講義58時間、演習42時間、実習30時間の計130時間で取得できます。
二級の課程を修了し、実務経験を1年以上積むと一級の養成研修を受けることができ、講義84時間、演習62時間、実習84時間の計230時間で一級を取得できるのです。
訪問介護員として三年(通算合計で540日以上)実務経験を積むと、介護福祉士の受験資格が得られ、国家資格に合格すると介護福祉士の資格を取得できます(平成23年から変更される予定)。
訪問介護員として五年(通算合計で900日以上)実務経験を積むと介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格が得られ、「介護支援専門員(ケアマネージャー)実務研修受講試験」に合格した後、「介護支援専門員実務研修」を受けると、介護支援専門員として登録・任用されることができるでしょう。
介護 認定
介護認定を正式にいうと、「要介護認定」です。
介護保険制度を利用するにあたって、介護保険被保険者は保険者である市町村などに要介護認定申請を行う必要があります。
申請された市区町村などは、被保険者の元に調査員を派遣して「認定調査」を行い、同時に被保険者の主治医(要介護認定申請で指定された医師)に「医師意見書」の作成を依頼し、調査員の訪問調査結果と併せて統計的データ、コンピュータによる推計により要介護度が機械的に決定されます(一次判定)。
介護認定審査会で、一次判定の結果、訪問調査結果、医師意見書が総合的に検討され、要介護度が判定され(二次判定)、その結果が被保険者に伝えられるのです。
要介護認定申請からおよそ三十日以内に認定結果が被保険者に通知されますが、認定結果に納得がいかない場合は、介護保険審査会に申し立てることができます(要介護認定は原則として6ヶ月ごとに見直して更新する)。
要介護度は、要支援、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5に区分され、要介護5が最も重く、「掃除等の身の回りの世話や立ち上がり等の複雑な動作、移動動作、食事、排泄が自分でできない状態。
また問題行動や理解力の低下がみられる状態。
」です。
要介護5に認定されると、月に35万8,300円(利用者負担額35,830円)を支給限度額とした在宅介護サービスを受けられます。
介護食
介護食とは、形態調整食のことをいい、老化などによって咀嚼や嚥下機能が低下したり、障害を持つ人が充分な栄養を摂ることができるように、食物を普通食よりも摂取しやすく調理した食事です。
介護食の主な調理法としては、食物をミキサーで流動体にした「ミキサー食」、食べ物を細かく刻む、すりつぶす、裏ごしする、ややミキサーにかけるなどして、食べやすくした「刻み食」、飲み込みやすくするために片栗粉、くず粉、小麦粉、市販のとろみ剤などを使ってとろみをつける「とろみ食」、ゼラチンや寒天などでゼリー状にした「ゼリー食」、ジュースやお茶などをゼリー状にしたものやスープ、葛湯などの「水分補給食」などがあります。
介護食は家族の状況に合わせて作ることが重要です。
弱くなっているとはいえ、まだ咀嚼する力が残っているのに、ミキサー食などを摂り続けると咀嚼する力がますます衰えてしまうでしょう。
特に初期のうちは、家族と同じ食事のようにみえるけど、実は食べやすいように工夫されているのが理想です。
食欲がない時は栄養価にこだわらずに本人が好きなものを食べやすくして出したり、なるべく家族と一緒に食事をとるようにするなどの配慮も必要だと思います。
栄養価が高く、消化にいい食事を食べやすいように工夫するという点では離乳食に通じるものがありますが、相手のプライドを傷つけないような気づかいも大切かもしれません。
一人分だけ違う食事を用意するのは手間ですが、調理器具を上手に使ったり、冷凍庫や電子レンジなどを活用して美味しくて食べやすい介護食を作ってあげてください。